陶芸の備忘録1 土練り
目的
筆者はとある陶芸サークルに所属する大学生なのだが、コロナ禍(暇?)で大学が閉鎖されたため陶芸ができない。新入生も何人かはいるのだがまだ陶芸に関して何もできていない状況だ。そこで、腕が鈍っていくのは仕方ないとしてもせめてノウハウだけは忘れないように、ここに書き留めていく。今回は粘土成形を始める前の土練りに関してだ。
1土練りのやり方
陶芸で行う土練りは粗練りと菊練りの二種類がある。
1 粗練り
粗練りは土の塊を切り出した後に最初に行う練りである。これをすることで心なしか土が柔らかくなる。方法は以下のとおりである。画像は言葉で説明しきれないものも含んでいるので、すべては皆さんの画像を読みよる力にかかっている。
2 菊練り(タニシ練り)
土がほぐれてきて練りやすい硬さになったら菊練りをしていく。菊練りは土の塊を紡錘形に作る練り方である。
磁器の土は陶器の土より粒子が細かいので、陶器の土よりも3倍ほど細かく、多く練る必要がある。タニシの貝殻のようになるのでタニシ練りと呼ばれる。
これが練りとしては最後で、次からはろくろの上での話になる。
2土練りの目的
土練りの目的はいくつかある。その中でも練りによって大きな影響を受けるのは土中の気泡と水分、および粒子に関してだ。
1 土の性質に関して
土は乾燥・焼成の段階で形が戻ろうとする性質がある。完成までの各段階で、伸ばして作ったものは縮み、ねじって作ったものは逆向きのねじりが生じる。塊の状態の土をそのままろくろで挽くと予期せぬゆがみが生じて割れるため、土を練って変形を一方向にコントロールする必要がある。実際、菊練り後の土は粒子がバウムクーヘンのように並んでいるので、ろくろ加工を経ても均一に縮む。そのため、理論上ろくろを使用しない場合は菊練りは必要ではない。
2 気泡の排除と水分の均一化
土は放っておいていると水分の多いところと少ないところが出てくる。これはろくろをひくような繊細で均一な仕上がりが求められる作品作りでは致命的である。また気泡があると、仮に気泡をつぶしたとしてもそこにあるべき粘土が欠けているので均一に仕上がらない。また、水分が極端に少ない部分があると、薄くしたいときにそこが固い故変形せず、コブみたいになってよくない。そのため、菊練りで気泡を押し出し、水分量を平均化する必要があるのだ。
3おわりに
以上がろくろ成形をする前段階の準備、土練りの方法であった。これを読んで得るものがあったなら幸いだ。